生体応答解析部門

板倉 友香里
Yukari Itakura
北海道大学 創成研究機構ワクチン研究開発拠点 特任助教

研究テーマ

  • 細胞内侵入型抗RABV中和抗体
  • 環境散布を目指した狂犬病経口ワクチン

キーワード

  • 狂犬病
  • ウイルス
  • 抗体
  • ワクチン

研究概要

  • 狂犬病は、ワクチン接種や免疫グロブリン製剤の投与により暴露後でも予防可能である一方、治療薬は存在せず、狂犬病を発症すると死を免れることは難しい。ウイルスに対する抗体療法は、ウイルス粒子表面上の膜蛋白質を標的とした中和抗体が用いられるのが一般的である。私たちは、細胞内に抗体を侵入させ、細胞内におけるウイルス複製過程を阻害する中和抗体の取得を試みている。最終的に、ウイルス増殖過程を多段階で阻害するモノクローナル抗体カクテルの開発を目指す。
  • 狂犬病が蔓延するインドでは、多くの野犬が狂犬病ウイルスの維持に大きな役割を果たしている。したがって、野犬における予防が、狂犬病の撲滅のために必須である。欧米諸国では、野生動物を対象として、大規模な経口ワクチンの散布を実施してきており、その有効性が示されている。しかし、こうしたワクチンには、弱毒生ウイルスが用いられており、インドのような、人と野犬が非常に密接な環境においては、大規模な使用には至っていない。こうした背景から、人と動物が共存する環境における散布を可能とする安全な犬用経口ワクチンの開発を目指す。