臨床開発部門

松尾 和浩
Kazuhiro Matsuo
北海道大学 創成研究機構ワクチン研究開発拠点 特任教授

研究テーマ

  • 新規CTL誘導アジュバントを用いた成人結核予防ワクチン及びCOVID-19ワクチンの研究開発とその応用

キーワード

  • BCG
  • アジュバント
  • 細胞傷害性T細胞
  • 結核ワクチン
  • COVID-19ワクチン

研究概要

  • BCGは小児結核のワクチンとして広く用いられているが、成人の肺結核に対する効果は限定的である。世界で成人に対する結核ワクチンの開発が進められているが、未だ解決策は見出されていない。また、BCGはそのoff-target効果により、結核以外の様々な疾患を抑えることが報告されている。特にBCG東京株は、その優れた自然免疫誘導能により、COVID-19の発症抑制に働くことが2022年に報告されているが、どのような免疫反応がこのようなoff-target効果を誘導しているのかは未解明である。
  • BCG東京株由来の様々なアジュバントとして働く分子を精製、同定し、その中から特に細胞傷害性T細胞(CTL)誘導の増強に働く分子を特定して、CTLが感染および発症を抑制するのに働く感染症の予防ワクチンに応用する研究を行う。具体的には、CTLのプライミング能が弱いBCGのCTL誘導能を増強することによる結核ワクチンや、SARS-CoV2の変異が起こりにくい抗原部位に対するCTLを誘導することにより、様々な変異株にも対応可能なユニバーサルコロナワクチンの開発を目指す