ワクチン開発部門

特任教授
喜田 宏
Hiroshi Kida
北海道大学 ユニバーシティプロフェッサー
人獣共通感染症国際共同研究所 統括
創成研究機構ワクチン研究開発拠点

研究テーマ

  • パンデミックインフルエンザワクチンの研究開発

キーワード

  • パンデミックインフルエンザ
  • 不活化ウイルス完全粒子ワクチン

研究概要

  • 日本発・世界基準のパンデミックインフルエンザワクチンを開発する。
  • 将来にパンデミックインフルエンザをひき起こす可能性があるウイルス候補株を北海道大学インフルエンザウイルスライブラリーから選出し、培養及び不活化条件を検討して、不活化ウイルス全粒子ワクチンを試製し、評価する。
  • 特にH5ウイルス株については、鳥インフルエンザワクチンの濫用によって、抗原性がずれたH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスが、北方圏、特にシベリアの渡り鴨の営巣湖沼に定着したため、世界各地で家禽と野鳥に感染被害を及ぼしている。したがって、このH5ウイルスがヒトの季節性インフルエンザウイルス(H1N1またはH3N1)とブタに共感染して、H5パンデミックインフルエンザが生ずる可能性が高くなっている。加えて、そのヘマグルチニンは、SARS-CoV2のSタンパクと同じく、furin cleavage siteを持っているので、当該ウイルスは、全身の組織に感染し、COVID-19と同等以上のパンデミックを起こす可能性がある。予想されるH5パンデミックウイルスHAと抗原性が近縁で、かつfurin cleavage siteの挿入がないH5HAを持つ、インフルエンザウイルスをパンデミックワクチン製造株とする計画である。