臨床開発部門

松本 壯吉
Sohkichi Matsumoto
北海道大学 客員教授(新潟大学)

研究テーマ

  • 無症候感染者や感染ブロッカーの防御免疫を誘導する、結核ワクチンの開発

キーワード

  • 結核
  • 無症候感染
  • 発症抑制
  • 感染ブロック
  • 非結核性抗酸菌(NTM)症

研究概要

  現在も100万を超える人が毎年、結核で命を失っている一方で、世界人口の1/4が結核菌の無症候感染者(Latent Tuberculosis Infection, LTBI)である。すなわち、ほとんどの感染者で、結核の発症は阻止されている。無症候感染者に健康被害はなく、また感染源とならずに、一生生活することができる。この現実世界で、実際に人に生じている結核防御能を模倣し、それを人工的に誘導するワクチンの開発を目指す。

 これまでに実施されてきた殆どのワクチン開発では、結核発症を抑え込んでいる無症候感染者よりも、発症を許した患者において、ワクチン効果に必須のサイトカインIFN-gammaの産生を、より強く産生している抗原が、ワクチンとして試験されてきた「矛盾」があると考える。 そこで我々は、

  • 無症候感染者や病原体の曝露機会の多い流行地で、IFN-gamma産生=結核の発症や感染を阻止している健常者>発症者、の抗原を特定する。
  • 発症抑止者や感染ブロッカーに生じているIFN-gamma産生を含む防御免疫を、効率的に誘導するワクチンモダリティーを検討する。