2026.5.11
【論文】Veterinary Research 誌に研究成果が掲載
人獣共通感染症の一つであるウシ結核は、病原体・宿主免疫・流行制御の性質が複雑なために血清学的診断法の開発が困難ですが、その問題を解決する可能性を明らかにした研究成果が、国際学術誌 Veterinary Researchに掲載されました。
本研究では、Mycobacterium bovisのものと同等の翻訳後修飾を持つ組換え抗原を産生できる発現宿主としてMycolicibacterium smegmatisを用いた組換えタンパク質によるウシ結核診断性能を評価しました。10種の候補抗原を、大腸菌とM. smegmatisの両方の宿主で個別に発現させて評価したところ、M. smegmatisで発現させたタンパク質が、確立された抗原MPB70と同等の診断性能を示しました。さらに、組換えM. smegmatis由来のいくつかの抗原は、現在汎用されているインターフェロンγリリースアッセイの結果との一致度が高いことがわかりました。
これらの知見は、M. smegmatisが新規抗原の同定に有望な宿主であり、複数の宿主を用いた戦略がウシ結核の血清診断を改善する可能性があることを示唆しています。
【論文詳細】
Jang E, Kwak K, Isoda N, Matsuo K, Thapa J, Nakajima C, Suzuki Y.
“Recombinant proteins expressed in Mycolicibacterium smegmatis enhance antibody-based detection of bovine tuberculosis”
Vet Res. 57:70, (2026 May 8),
DOI: 10.1186/s13567-026-01743-9