研究内容

Research

研究内容について

Enjoy Science!

北海道大学ワクチン研究開発拠点 生体応答解析部門の澤 洋文です。

私達の研究室は、現在日本人教員が4名、外国人教員1名、そして日本人の技術員が4名、大学院生が日本人3名、外国人5名、日本人修士学生1名、事務員3名の研究室です。

私達の目指す研究はウイルス性人獣共通感染症であるインフルエンザ、狂犬病、フラビウイルス感染症、ニパウイルス感染症等を対象とした、ワクチン開発に向けた基礎・開発研究をしております。

現在、大谷翔平選手、三苫薫 選手達が国際社会で活躍しております。また北海道日本ハムはリーグ最下位から2025年はCSに出場して、初めて2連敗から3連勝しました、活躍する人達は必ずその努力をEnjoyしていると思います。

私共の研究室の方針はEnjoy Science!です。研究は毎日の実験結果を基にして、次に進むことが大切ですが、その中で、得られた結果に喜びを感じ、明日に向かっていく事を目指しています。私共の研究室の特徴はコミュニケーションが良いことです。教員、技術員、学生さん、事務の方々は繋がった3つの部屋に居室が有り、何時でも相談ができる状況です。

興味を持った方は何時でも研究室を見学に来てください。
一緒にScienceをEnjoyしましょう。

「診断と治療を革新するDe novoタンパク質デザイン」(ゴンザレズ・ガブリエル)

「診断と治療を革新するDe novoタンパク質デザイン」(ゴンザレズ・ガブリエル)

AI技術の飛躍的な進歩により、特定のウイルスタンパク質を狙い撃ちする新しいタンパク質を、これまでにないスピードと低コストで設計できる時代が到来しました。

私たちは、ウイルス粒子を中和したり、既知および未知のウイルスや変異株をより迅速に検出したりするための、創造的で実用的なタンパク質デザインの可能性を追求しています。

プロジェクトは、in silicoで設計したタンパク質を実際に作製し、実験室でコンセプトの実証、そして応用へとつながります。AIとバイオテクノロジーの融合が、新しい診断と治療法開発の未来を切り拓きます。

「粘膜免疫を標的とした次世代経鼻ワクチン開発」(齊藤慎二)

私たちは、インフルエンザウイルスや海外で流行する人獣共通感染症ウイルスなど、呼吸器に感染するウイルスを対象に、「感染はどこから始まり、どう止められるのか?」という問いに挑んでいます。特に、粘膜免疫を狙った経鼻ワクチンの開発に力を入れており、ウイルス表面タンパク質の構造情報や抗体の逃避メカニズムの解明、in silicoシミュレーションを組み合わせて、次世代ワクチン抗原を開発しています。さらに、鼻に投与するワクチンで誘導される粘膜IgA抗体に注目し、「どんな抗体が実際にウイルスを止めているのか」「それはどうやって誘導できるのか」を実験的に確かめています。
ウイルス学、ワクチン学、免疫学、計算科学を横断して、新しいワクチンを作りたい人を歓迎します。実験が好きな人も、データ解析が好きな人も、大歓迎です。興味があれば一緒にやりましょう。

「感染症制御を目指した次世代ワクチン研究」(田畑耕史郎)

オルソフラビウイルス及びハンタウイルス感染症に対するワクチン開発、ならびに経鼻ワクチンの基盤研究を行っています。オルソフラビウイルス研究では、抗体依存性感染増強(ADE)を回避する新規抗原設計と、血清疫学的解析による流行実態の解明に取り組んでいます。ハンタウイルス研究では、遺伝子改変マウスを用いた病態形成の分子機構を解析並びにワクチン評価モデルの構築を進めています。また、経鼻ワクチン研究ではIgA抗体の多量体化機構に焦点を当てた新しい経鼻免疫戦略の開発を進めています。これらの研究を通じて、感染症の理解を深化させ、次世代ワクチン創出のための科学的基盤の確立を目指しています。
私たちの研究では、実験科学から情報科学まで幅広い分野の学際研究を推進しております。これまでの研究歴は一切問いません。感染症制御に関わる研究に従事してみたい!という熱い思いを持っている方大歓迎です!!いつでも気軽にお問い合わせください。

「狂犬病ウイルス研究:感染メカニズムから予防・治療へ」(板倉友香里)

「私たちの研究室では、治療法がなく、発症すればほぼ100%致死となる人獣共通感染症「狂犬病」の克服をめざし、ウイルスの未知に挑んでいます。有効なワクチンがあるにもかかわらず、世界では今なお年間約59,000人が狂犬病で命を落としていると推定されています。伝播様式や感染病態、その高い神経指向性など、狂犬病ウイルスは極めてユニークな性質を有しています。私たちは、分子生物学的手法を駆使した狂犬病ウイルスの感染・増殖メカニズムの多面的解析に加え、ウイルス増殖過程を多段階に阻止する抗体カクテルの開発、人や犬が安全かつ容易に接種できる新しい「食べる狂犬病ワクチン」の創製、さらに経口免疫応答を評価可能な動物モデルの確立に取り組んでいます。
 また、狂犬病ウイルスにとどまらず、多様なウイルスの感染増殖メカニズムや病態形成の解明、さらにはワクチン・診断法・治療薬の開発にも挑戦し、感染症研究の新たな可能性を切り拓いています。感染症を克服したい、ウイルスの本質を探りたい、そんな探究心あふれる学生さんはぜひ一度遊びにきてください。